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最高裁判所第一小法廷 昭和30年(あ)2488号 決定

本籍

三重県四日市市日の出町一九〇一番地の二

住居

同県同市西新町二丁目五八番地

易者

若松好

明治二九年二月一〇日生

右に対する脅迫、鉄砲刀剣類等所持取締令違反被告事件について、昭和三〇年七月一四日名古屋高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人田中長三郎の上告趣意は事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(原審の確定した事実関係の下で被告人の所為を脅迫罪に当るとした原判旨は正当であり、引用の判例に牴触するものではない。なお本件では暴力行為等処罰に関する法律第一条は適用されていない。

また鉄砲刀剣類等所持取締令第二条違反の罪は刃渡一五センチメートル以上の刀を同条所定の除外事由なくして所持することによつて成立するのであり、犯人が主観的に如何なる使用目的を有していたかはその成立を左右するものではない。)

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

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